元気の良さと気さくな雰囲気
介護に縁のなかった人が介護施設で働く場合、初出勤ともなれば否が応でも緊張が渦巻くものである。実習や勉強したことがすんなり実行できるだろうか・利用者入居者や同僚と上手くコミュニケーションが取れるだろうかと、期待や焦りが交錯するだろう。初出勤前に、まずは深呼吸をしよう。そして、何でもいいのでハッキリした口調で言葉を発してみることだ。こわばった口が和らげば、最後に鏡の自分に向かって笑ってみるといい。勤務先に到着すれば、大きな挨拶は2度待っている。一つは同僚向け、もうひとつは入居者向けといえる。どちらにも共通して必要なのはただ一つ、「元気の良さ」だ。うるさすぎないハリのある声で、ハキハキと自己紹介しよう。ハツラツな第一印象に悪意を持つ人は、まずいない。やる気をアピールするにも、「元気の良さ」は強い味方である。そして、早く打ち解けるべく誰もが声を掛けやすい「気さくな雰囲気」を、初日に心掛けるのは大切だ。介護は、人のチカラが一番必要なものである。チカラを求めている利用者は、案外と人見知りなものだ。身の周りの世話や介助をしてもらっているせいか、そこに負い目を感じている人は少なくない。しかし、利用者は体が不自由でも誰もが生きるのに一生懸命であり、日々頑張っている。そこで、新入りだからこそできること、完璧ではないが頼れる存在になれるべく頑張る旨を、初日にこそアピールするのだ。利用者は、あなたの頑張る姿を想像するそして、自身とを重ね合わせようとしがちで、これは今後の円滑なコミュニケーションの足掛かりになるだろう。利用者だけではなく、気さくな雰囲気は同僚視点からも大切だ。同僚が最初に求めるのは完璧な仕事ぶりではなく、お互いの距離を縮めることである。初日はこれで充分だろう。